Data Dressing and Prompted Physicality
本研究は、地方史統計史料を対象として、データ表現方法の1つであるデータの物理化(Data Physicalization)を、歴史資料のデジタルアーカイビングのプロセスに組み込み、市民の知的探索や知的触発を促すようなデータ体験環境の構築を目指すものである。データの物理化とは、幾何学的な形状または物質的な材料特性を用いてデータがエンコードされた物理的なアーティファクトを指し、人の知覚能力を十分に活用した情報の伝達が可能であるとされている。また、データを物理的に表現したアーティファクトは、人々のデータに対する興味や関心を引くことに効果があるとされ、地方史統計史料のような複雑な表構造を有し意味理解が難しいデータ群を表現することで、市民にとって親しみのある地域の歴史に触れやすい環境を創出する。