Bus Engagement AMplified

BEAm Bus Engagement AMplified

BEAm(Bus Engagement AMplified)環境は、路線バスの運行情報の情報風景化を目指して我々が2019年度から開発中の、ウェブブラウザベースのツール群である。情報的風景とは、公共交通の運行情報を視覚的、意味的に街のかたちに重畳し立体的に表現することで、地域の中で重要視されている要素や好まれている要素を、生活者が地理的空間と結びつけて重層的に感じ取れるような「風景」として生成することを指す。本提案研究で開発する技術のユーザとなるのは、乗客や事業者に限らない、広く一般の地域の人々や、その地域の訪問者や移住者、あるいはその地域にたまたま関心を持った外部の人々、さらには地域史の研究者や社会科学の研究者である。

マクロ風景化

マクロ風景化とは、航空写真で捉えられる様子や高台から一望した街全体といった大きさを、ひとつの風景とすることを指す。図1に示すのは、系統別の運行時刻表、系統別の停留所の系列、およびバス停留所(標柱)の位置(緯度、経度)情報を用いて、地図と連携させた擬似三次元表示である。地図を底面として、バス停(標柱)の座標一から上方向にそれぞれ時間軸を伸ばし(上端が0:00で下端が24:00)ている。系統ごとに、それぞれのバス停の発車時刻をプロットして線でつないで表現している。図では、函館バスの一部地域の全系統と一系統の全域を表現している。これによって、着目するバスがこの地点にある時刻には、別系統のバスはこの辺りを走行しているといったことを視覚的に確認することができる。

ミクロ風景化

ミクロ風景化とは、ある地点にある時刻に立って周囲を見渡す範囲での局所的な風景化を指す。 バス停留所ごとの、通過するすべての系統についての手前のバス停、次のバス停といった連なりのグラフ構造化に着手している。図2では、函館バスにおいて「柏木町」というバス停に注目した際に、前後のバス停の連なりが同一となる系統をグルーピングして表示したものである。

バスの運行頻度を視覚的表現として地図上に重畳するプロトタイプツール

図3に示すのは、擬似三次元表示した指定区間におけるバスの運行頻度の情報である。ツール上では、地図の傾きの変更及び回転ができる。GTFSデータ上の運行系統に含まれるバス標柱(停留所)位置を特定し、地図を底面としてプロットする。標柱間を、運行頻度に対応した高さを持つ面として連結し表現したものである。